塗装の技術は奥深く、何年もの実務経験と勉強を続けることによって一人前の職人となることができます。
一口に塗装といっても、使う塗料の種類はかなり多いですし、塗装をする建築材料や劣化状況、形状などによって塗り方を変える必要があります。
また、塗り替えの場合は、塗料を塗るだけなく下地を処理したり、錆止めなどの処理をしてから本塗りをすることも多くあります。
このように、高品質の塗装工事をするためには覚えることがたくさんありますので、それを教えるための時間や手間が求められるわけです。
こうした状況に対応するため、東京都には東京都塗装高等技術専門校という学校があります。
具体的にどのような訓練をしているのか、どのようなスキルを習得できるのかをチェックしてみましょう。
東京都塗装高等技術専門校とは?
東京都塗装高等技術専門校とは、東京都塗装工業協同組合が運営している専門校です。
この東京都塗装工業協同組合とは、明治の時代に設立された大変歴史の長い団体で、都内で質の高い塗装工事を行うための作業員の育成やスキル証明のための資格制度設置、お客様向けの性能保証システムの提供などを行っています。
いわば塗装工事について知り尽くしている団体が、建築塗装の技術を高めたいという人を育成するために作られたのが、この東京都塗装高等技術専門校というわけです。
高等技術専門校とは、求職者向けに仕事に役立つ技術や専門的知識を教えるための学校で、かなり実際的な内容に特化しているのが特徴です。
地域によっては職業能力開発センターと呼ばれることもあって、厚生労働省の所管で設置、管理されています。
東京都塗装高等技術専門校への入校資格としては、高校卒業者もしくは18歳以上で高卒と同じくらいの能力があると認められた人という条件があります。
また、40歳未満という年齢条件も設けられています。
職業としての建築塗装に携わることを目指していて、高い塗装技能を身に着けるために養成を受けたいと考えている人が求められています。
訓練は週に1回行われていて、2年間受けることになっています。
現在塗装会社に勤めている人などが、仕事をしながらスキルを向上するために通えるのが特徴です。
この2年間の訓練を修了してから、実技と学科の試験に合格すると技能士補の資格をもらうことができますし、建築塗装2級技能検定の受験資格を自動的に得ることができます。
また、卒業してから6年間実務経験を積むことで、職業訓練指導員の受講資格を得ることができて、技能を教える立場に就けるというのも一つのメリットです。
さらに訓練を修了することで、人材開発支援助成金制度に基づく訓練等支援給付を受けることもできます。
教育を受けるのに費やしたお金を補助してもらうという目的ですので、専門校に通うための資金面で不安を抱えている方が安心して訓練を受けられるのがうれしいところです。
2年間の養成では、授業中に有機溶剤作業主任者講習が含まれていますので、講習を受けることで資格を得られるというのもメリットとなります。
この専門校では、単に塗装に関する技術を教えるだけでなく、建築に関する興味を持ち向上心を高めてスキルを磨き続けるモチベーションを得られます。
そのため、学校を修了しても現場で働きながら新しい技術を学んだり、積極的にベテラン職人から知識を吸収するように助けられ、より良い職人となっていけるのです。
また、塗装工事というのはお客様があってのことですので、心を込めて作業をすることやお客様対応を丁寧にすることの大切などを学ぶこともできます。
このようにして、技・知・心のすべてをしっかりと教えられる、まさに「塗装職人の学校」として機能しているわけです。
専門校が果たす役割は大きい
このように、東京都塗装高等技術専門校では、より品質の高い塗装工事ができる職人、お客様に喜ばれるプロを育成する場所となっています。
これはお客様の満足度を上げると共に、より美しい街並みを作り上げていくためにも大事なことです。
さらに、建築業界では人材不足が深刻化していて、特に若手が減少している状況が見られます。
そこでこうした教育の場を通して、建築塗装の分野で活躍する若手を成長させることができるのは、社会的に見ても意義のあることと言えるでしょう。
町田市を中心に塗装業を営んでいる常進塗装も、この東京都塗装高等技術専門校と深いかかわりがあります。
代表多井中が、現在も専門校の助教授として若手職人の育成に携わらせていただいています。
より多くの若く優秀な塗装職人が世に出ることで、人々の住環境を快適にしていく助けができています。
また、職人を育てるという大事な役割を自社の中でも果たすことによって、塗装会社としてお客様に提供するサービスをより高品質なものとするようにも努めています。
工事のレベルが高くて安心感のある塗装会社を探しているのであれば、ぜひ一度お問い合わせをいただければと思います。
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